ウニ以外は全体的に良い ウニは普通

バレバレだけど、一応公式には住所非公開なので、みんな大人げないことはやめよう

店内はこぢんまりしているが、片付いていて清潔感があって良い

スタッフは明るくハキハキしていて安心感があり、寛げる

酒もわりかし良心的な値段

微妙に足りなくなっちゃったことを言うと、快く半合で出してくれた、本当に感謝

みこ寿司といえばウニである。この日も8種、バフン6種キタムラサキ2種を大将がずら~~~~っと並べる。端正なやつからデロデロでヤバそうなやつから、小ぶりなものから巨大なものまで、見た目はかなりピンキリであった。なお本店は食べ放題ではない。従量課金制である。

みこ寿司といえばウニで、他の客は皆その居並ぶウニを眺めて目を輝かせ、迷いながら3つ、4つ、5つ、全部、などチョイスしていた。

個人的には、この「ウニをめちゃくちゃ一杯並べる」という行為には少々の疑問を感じている。端的には話題のための虚仮威しだと思っている。

まず大前提として、ウニは博打である。美味いか不味いか殻を割らないとわからないし、板ウニも開けて食べるまでわからない。寿司屋の大将は板ウニの製造元を信用するしかないし、市場に並ぶ板ウニをその場で全部ひととおり開けて味見する大将すらいる。そして寿司屋の客は寿司屋を信用するしかない。めちゃくちゃ美味いウニが出てきた寿司屋に、またウニを食べに行くのである。

ウニだけ無限に食いたいという人であればオールOKだろうが、私はめちゃくちゃ美味いウニを一貫だけ食えればそれでいい人間である。なお本店は食べ放題ではない。従量課金制である。もしまかり間違ってノリで全部いった挙句どれもあんまり美味しくなかったとき、地獄が顕現してしまう。

大将にどれが美味いのか聞いてみたが、「どれが美味い、とは答えないようにしています、これは濃厚、これはさわやか、これは云々……」のように言うのである。

ここで仮説がほぼ確信に変わった。ここに「めちゃくちゃ美味いウニ」は無い。

もしどれも美味いなら「どれも美味い」と言うはずで、どれも自信をもって美味いと言えない程度のもので、どれも美味いなどと言おうものなら、もし客の舌が肥えていた場合即座に嘘がバレるから「どれも美味い」と言えないのである。日常的にそのようなレベルのウニを入れているので慣れっこなのである。

であるので、ひとまずバフンとキタムラサキのうち「大将のオススメ」を一貫ずつ握ってもらった。

果たして、どちらも決して不味くはないが、客単価が1万円の回らない寿司としてはきわめて凡庸で、大手をあげて美味いとべた褒めできるものではなかった。強いて言えばキタムラサキはまぁまぁ美味かった。大将とは色々雑談したが、やはり大将もその日、そのキタムラサキが一番良いと思っていたようだった。それ以外は言葉少なげであったのがお察しである。非常に性格の悪い言い方をすると、みこ寿司は、味のわからないミーハーが「なんかウニがすごい」という情報を喰いに行く店である。

ちなみに比較対象として、今では人気すぎて全く予約が取れないと思われる「鮨大将かきだ」のウニはだいたい全部かなり美味しい。かきだの大将は市場で値段交渉を一切せず、言い値で即座に大量買いするのを繰り返した結果、仲卸も上客として扱ってくれて、何も言わなくても勝手に割引してくれる上に、一番良いやつを割り当ててくれるのである。しかも道楽でやっている店なので利益度外視でできる。「家賃を払っていない味」でなく「人件費を払っていない味」なのである。

しかし、みこ寿司は「食べ放題」「ウニがいっぱいある」とかいういかにも不穏な旗を掲げて、それを目当てに大量のアホが来店し、そのうえで経営を成り立たせなければならないという「家賃も人件費も払っている味」なので、常識的に考えてめちゃくちゃいいウニを大量に仕入れられるわけがなく、一定の予算の範囲内で買えるウニだけを買っていると思われる。

そでいか 普通に美味い

この熟成鯛が一番美味かった。一貫330円。たっぷりぼってりした切り付けで、柔らかくて旨味があって非常によかった。

薄々気付いている人もいるんじゃないかと思うんだけど、100円回転寿司が調子に乗って値上げしまくった結果、最近の100円回転寿司のペラペラの高いネタは、味とグラム単価を総合すると回らない寿司屋よりコスパが悪くなっている。

もしあなたが大食いでなく、100円回転寿司で280円とか380円とか580円とか980円みたいな値段になっている寿司を食べたい場合、お決まり3000円~5000円くらいの回らない寿司に行ったほうがはるかに満足できる可能性が高いと思う。実際、今時100円回転寿司で値段を気にせず高い皿も含め好き放題食べたら3000円なんて一瞬で突破しちゃうし、5000円も超えちゃうでしょ

100円回転寿司は100円回転寿司なので、100円の皿だけを食べるのが王道なのだった

赤貝はちょっと微妙

アジ めちゃくちゃ美味いほどではないし小ぶりだがまぁまぁ及第点

こういうところ、安い魚だとワンチャン100円回転寿司のほうが良かったりする場合があるのが面白い 昨今はアジ高いのでイワシが狙い目

カンパチ まあ普通に美味い

赤身330円 普通に美味いし実に良心的な値段

中トロ550円 以下略

白エビ 美味い

〆鯖 普通に

ちゃんと車エビが出るのがとても良心的

いくら 普通に美味い

不味いホタテなんて存在しませんからね 何喰っても等しく美味いし高いので、おきまりでなければ頼まない

ねぎとろ軍艦はちゃんと剝き身を使っていて部位が異なるとのこと

強いて言えばしじみの出汁は最初に出すべきである

大将は寿司一筋の職人とかではなく、元々洋食のシェフをやっていて、単純に転職先としてみこ寿司の運営会社に就職し、寿司職人としては付け焼刃で半年かそこらのキャリアとのことだった。確かに熟練という感じではなく、握りも多少気になる点もなくはないが、よっぽど不味いということはなく、全然美味しくいただけたので、総合的には良いと思う。ウニに過大な期待をしなければ満足できる店だと思う

銀座の食べ放題には行ってないのであまり確定的なことは言えないが、もし仕入れが同一だとすれば、食べ放題系の寿司屋の中では、かきだに次いで良い、行って良い希少な店だと思う